ふたり音・曲で練習
『あめふり』で音感トレーニング|跳ぶ音を一音ずつ確かめる
- 作成日:
- 公開日:
- 最終更新日:
- 更新記録なし
- 最終確認日:
「あめふり」は、3度以上離れた音へ進むところが多い曲です。聴き慣れた歌ですが、一音一音を確かめる良い練習になりそうだと思い、今回の曲に選びました。弾むリズムに乗る前に、短い音にも耳を向けてみます。
まずは第1フレーズを聴きましょう。レ→ソ、ソ→ミ、ミ→高いド。同じ短いまとまりの中で、上がる幅も下がる幅も変わります。
「あめふり」で練習する3度・4度・6度を、同じフレーズで聴く
今回の練習譜はハ長調です。下のドから上のドまでの1オクターブに収まりますが、隣の音へ順に進むだけではありません。第2〜3小節をゆっくり聴くと、音が跳ぶ場所を確かめられます。
| 箇所 | 二音 | 音の幅 |
|---|---|---|
| 第2小節・2→3音目 | レ→ソ | 上へ完全4度(5半音) |
| 第2小節・3→4音目 | ソ→ミ | 下へ短3度(3半音) |
| 第2小節末→第3小節頭 | ミ→高いド | 上へ短6度(8半音) |
表示譜ではレがD4、ソがG4、ミがE4、高いドがC5です。男声を選ぶと、それぞれ1オクターブ下で鳴ります。調を変えると音名は変わりますが、二音の幅は保たれます。
最初から音程の名前を当てる必要はありません。「さっきより大きく上がった」「今度は少し下がった」と聴き、次に音符を押して確かめる使い方で十分です。
短い音を流さず、二音ずつ確かめる
- 練習画面を「ハ長調(C)」にし、「第1フレーズ」を選んで「メロディーを聴く」を押します。まず声を出さず、音が上下する流れを聴きます。
- 停止して、第2小節のレとソの音符を順に押します。レを聴いたあとに次のソを思い浮かべ、実際のソと比べてみましょう。
- 同じようにソ→ミ、続くミ→高いドを確かめます。声を出す場合は楽な高さで、小さな声や鼻歌でなぞります。
- 第1フレーズをもう一度再生します。二音で確かめた高さが、曲の中でも同じように聴こえるか比べます。追いにくければテンポを72や56へ下げます。
第2小節のレとミは16分音符で、前の音より短くなっています。短いからこそ勢いで通り過ぎず、止めて高さを聴く時間を作ってみてください。単音で確認したあとは、元の長短があるフレーズへ戻します。
ふたり音はピアノの基準音を聴くための画面です。歌声の録音・音程採点はありません。声が苦しい場合は声域や調を変え、声を出さずに聴き比べるだけでも使えます。
後半は、同じ二音を繰り返す
第3フレーズの始まりには、高いド→ラが2回、その次にソ→ミが2回出てきます。どちらも下へ短3度ですが、実際の音の高さは違います。同じ幅として聴こえるか、それぞれの二音を比べてみましょう。
そのあとはソ→高いドの完全4度です。3度を繰り返した耳で、最後の少し広い上がり方を確かめます。慣れたら全曲を一巡し、前半の大きな跳躍から後半までつなげてみましょう。
「静かな湖畔」の後半にもド→ラが登場します。そちらをヘ長調、こちらをハ長調にして同じ声域を選ぶと、C5→A4(男声はC4→A3)の高さが揃います。リズムが違っても、同じ二音へ戻れるか試せます。
雨の音と言葉が弾む、大正時代の童謡
北原白秋作詞・中山晋平作曲の「あめふり」。堀江英一の論文「音楽修辞フィグーラ‘ヒポティポシス’の概念による日本の子どもの歌の研究」(2013年、127頁)では、1925年の雑誌『コドモノクニ』11月号への掲載が紹介されています。
同論文は、付点8分音符と16分音符のリズム、雨の音などを表す言葉が、楽しい気分を表現していると論じています。今回もその長短を残しました。一音ずつ確かめたあと、弾む歌へ戻る時間も楽しんでみてください。
今回の底本と、練習用に変えたところ
底本はピアノ塾「あめふり」の無料楽譜②(両手・簡単)です。ハ長調の上声12小節、37音と3つの休符を保ち、伴奏を省いて独自に浄書しました。歌詞は掲載せず、一巡して終わります。底本にテンポ指定はないため、練習用に四分音符=84を設定しました。
同ページの楽譜③は4小節の前奏があり、その後の主旋律は②と音高・音価・休符が一致します。Art Studio まほろばの声楽パートもハ長調に揃えて全曲比較し、一巡分の旋律とリズムは一致しました。そちらの終端には反復がありますが、今回の底本②にはありません。
ピアノ塾の楽譜の利用条件に従って出典を表示しています。これは現代の掲載譜を使った練習版で、原典や初出譜ではありません。1925年の掲載誌の楽譜そのものは今回閲覧できておらず、古譜との全曲比較は未確認です。
配布するMIDI・MusicXMLはハ長調・表示譜の高さ・テンポ84で固定です。画面で選んだ調・声域・テンポは配布ファイルには反映されません。
今日は、短いレからソへ
まず一組を聴き、次の高さを思い浮かべてから音符を押す。確かめたら、もう一度いつもの歌に戻る。「知っている曲」を、今の耳で少しずつ確かめてみましょう。
「あめふり」の楽譜と音を開く