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ふたり音・曲で練習

『ずいずいずっころばし』で音感練習|シ♭とシ、曲中の半音の違い

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「ずいずいずっころばし」は、途中のナチュラルが気になる曲です。シ♭(チ)とシ。聴き慣れた旋律の中で半音だけ高さが変わるところは、音の違いを確かめる練習に良さそうだと思い、今回の曲に選びました。

まずはニ短調を基準にした高さ(Dm)で聴いてみましょう。冒頭側のシ♭と、途中に出てくるシを取り出してから、元のフレーズへ戻ります。

「ずいずいずっころばし」で練習する

ナチュラルで、シ♭が半音高いシになる

今回の表示譜は、調号にシのフラットが一つあります。そのため、臨時記号がないシの位置はシ♭です。途中でナチュラル(♮)がつくと、フラットを打ち消してシになります。ピアノでは、シ♭の黒鍵からすぐ右のシの白鍵へ、半音高くなる関係です。

ただし、この曲でシ♭→シが続けて鳴るわけではありません。違う場所に出てくる音を取り出して比べる練習です。曲中のシは誤った音ではなく、採用した旋律に含まれる変化として聴きます。

Dm・表示譜で比べる音
場所音名聴きどころ
第1フレーズ・第5小節3音目シ♭(B♭3)最初のシ♭の高さを覚える
第2フレーズ・第10小節3音目シ(B3)ナチュラルで半音高くなる
第1フレーズ・第5小節4音目ラ(A3)比較の出発音として使う

ナチュラルの効力は基本的にその小節内です。今回の譜では、第11小節や第13小節にも必要な臨時記号を記します。調を変えると音名も変わるので、シ♭とシとして比べるときはDmを選んでください。

「チ」は、このサイトでも紹介しているニシヅカ式のシ♭の呼び方です。馴染みがなければ「シのフラット」と呼んでも構いません。音名の呼び分けも参考にしてください。

同じラから、半音と全音を比べる

シ♭とシを単音で比べたあとは、その一つ下のラを手がかりにします。第5小節にあるラからシ♭へは上へ半音、同じラから第10小節のシへは上へ全音(2半音)です。曲順に連続する音ではなく、音符を選んで比べます。同じラから出発すると、上がる幅の違いを確かめやすくなります。

  1. 練習画面をDmにし、「第1フレーズ」を聴きます。停止して、第5小節の2音目のレと3音目のシ♭をそれぞれ押し、シ♭の高さを確かめます。
  2. 「第2フレーズ」を聴き、停止して第10小節の2音目のレと3音目のシを押します。続いて、第5小節のシ♭と第10小節のシを交互に押して比べます。
  3. 同じラは、第5小節の4音目にあります。そのラを押してから、第5小節のシ♭を押します。次は同じラを押してから、第10小節のシを押し、半音と全音の幅を比べます。
  4. 第1・第2フレーズをもう一度聴きます。二音で比べた違いが、曲の流れの中でどう聴こえるか確かめましょう。速ければテンポを72や56へ下げます。

シ♭を覚えたつもりでシも同じ高さにしていないか、逆にシへ慣れた耳で冒頭側を聴き直すとき、シ♭まで高くしていないか。声を出す場合は、基準音を聴いたあとに楽な高さで、小さな声や鼻歌でなぞってみてください。

ふたり音には歌声の録音・音程採点はありません。歌いやすい声域・調を選び、声を出さずに聴き比べるだけでも使えます。

長短のリズムを聴いてから、一音へ戻る

今回の出だしは「ずーい、ずーい」と長短をつける版です。付点8分音符と16分音符で、前の音が長く、次の音が短くなります。よく知っているリズムほど勢いで歌い進めやすいので、気になるところで止め、音符を押して高さだけを確かめます。

保育現場の実際の歌唱を調べた研究でも、均等に記譜されることの多いこの歌を、子どもたちが長短をつけて歌う例が報告されています。ここでは付点8分音符と16分音符の3対1で再生しますが、実際の歌唱の長短には揺れがあります。

単音の比較ができたら、元の長短があるフレーズへ戻しましょう。シ♭とシをずっと交互に鳴らす練習から、曲の中で必要な高さを思い出す練習へつなげます。

短いわらべうたの中にも、響きの変化がある

持田京子「『手遊び歌』がもつ『心のふるさと』」(『埼玉純真短期大学研究論文集』第14号、2021年、55頁)は、この歌を、日本の音階の流れが途中で変わる例として取り上げています。短い遊び歌でも、最初から最後まで同じ音の組み合わせで進むとは限りません。

今回は、その変化を理論の名前から覚えるより、シ♭とシの違いとして耳で確かめます。成立年や歌詞の意味はこの資料だけでは確定できないため、由来の説を事実として付け加えてはいません。

参照した譜と、今回の練習版

ライセンスが明示されたWikipediaの譜例をもとに、国内の全曲公開譜と出版社のサンプルを比較し、旋律を独自に浄書しました。掲載譜には、均等な八分音符で始まる版、長短をつける版、休符や息継ぎの位置が違う版があります。今回は運営者に馴染みのある長短を採用しています。国内の全曲公開譜と音高・休符の並びを照合し、出だしなど7小節の音価を長短に調整した練習版です。全国で歌われる唯一の標準版とはしていません。

参照譜からニ短調を基準とする高さへ7半音下げ、途中で調号を変える表記を、固定の調号と臨時記号へ置き換えました。第6・7小節と終盤の息継ぎは国内譜と照合して調整し、30小節を一巡する練習版にしています。原典や初出譜の復元ではありません。古い資料として東京藝術大学附属図書館の信時潔の自筆ピアノ譜も閲覧しましたが、訂正を含む編曲譜であり、全曲の底本には採用していません。

この曲の採譜・表示譜データ・MIDI・MusicXMLは、参照譜の帰属を残し、CC BY-SA 4.0で提供します。再利用するときは、Wikipedia contributorsとふたり音の帰属、出典とライセンスへのリンク、変更の表示、同じライセンスでの提供をお願いします。この条件は今回の練習データに対するもので、伝承曲そのものの権利状態とは区別します。