ふたり音

ふたり音・音感トレーニング

ミとファの距離、本当に分かる?半音の記憶から音感を鍛える方法

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私は以前、白鍵の音ならある程度分かっているつもりでした。しかし、ミとファ、シとドの距離を一つずつ確かめると、どちらも半音なのに、その狭さを正確に捉えられていないことに気づきました。黒鍵が入ると難しく感じるのも、黒鍵そのものより、音と音の距離をまだ十分に記憶できていなかったからかもしれません。

白鍵なら分かっているつもりだった

ピアノの白鍵を順番に見ると、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シと規則正しく並んでいます。その見た目に慣れていた私は、白鍵同士の音の距離も同じように捉えられているつもりでした。

ところが、ミとファ、シとドの間には黒鍵がありません。この二組は、白鍵同士でも半音の距離です。実際に二音を続けて聴き、声でも確かめてみると、私はその狭い距離を思っていたほど正確には捉えられていませんでした。

半音は「白鍵から黒鍵までの距離」ではありません。ミとファ、シとドの間にもあります。

音感には、高さと距離の二つの記憶があるのではないか

私は以前の記事で、音感とは音を記憶することではないか、という仮説を書きました。練習を続ける中で、その記憶にも「一つの音の高さ」と「二つの音の距離」という二つの側面があるのではないかと考えるようになりました。

たとえば、最初に鳴った音そのものを覚えていても、次の音までどれほど動いたかが曖昧なら、二音目を正確には捉えられません。反対に、半音という距離を覚えていれば、スタート音が変わっても同じ狭さを手がかりにできます。

これは研究結果として示すものではなく、私自身の経験から得た仮説です。それでも、一音ずつの高さだけでなく二音の間隔へ意識を向けることで、練習中に何を覚えようとしているのかが明確になりました。

黒鍵が入ると、距離の曖昧さが見えやすくなる

白鍵だけなら、鍵盤の並びやドレミの順番を手がかりに答えられることがあります。黒鍵が入るとその手がかりだけでは足りず、音と音の距離をどこまで記憶できているかが、よりはっきり表れます。

私も黒鍵を含む問題で迷ったとき、黒鍵の音名を知らないことだけが原因ではないと感じました。白鍵にあるミとファ、シとドの半音さえ正確でなかったのですから、スタート音が変わった半音をすぐに捉えられないのは自然なことでした。

黒鍵を避け続けるのではなく、まず白鍵にある半音を確かめ、次に違う高さから始まる半音へ広げる。そう考えると、黒鍵を含む練習も段階を踏んで進められます。

ふたり音で半音の距離を徐々に覚える

  1. 1まずは「白鍵のみ」で、ミとファ、シとドを含む問題を聴く
  2. 2正解を見た後、二つの音を続けて聴き、半音の狭い距離を確かめる
  3. 3スタート音を固定せず、別の高さから始まる半音も聴く
  4. 4白鍵の半音に慣れたら「黒鍵も含む」へ切り替える
  5. 5間違えた組み合わせは、正解を覚えるだけでなく頭の中や声で再現する

「ふたり音」の出題範囲には、半音から完全5度までの設定があります。白鍵のみを選んだ場合でも、ミとファ、シとドの半音が出題されます。正解・不正解だけを見るのではなく、正解後に二音を聴き直し、その距離を頭の中へ残します。

慣れてきたら「黒鍵も含む」へ切り替えます。一度に12音すべてを覚えようとせず、半音という一つの距離が、異なるスタート音でも同じように感じられるかを確かめます。

スタート音が変わっても、同じ半音を捉える

「ミからファ」を繰り返すだけなら、その二音自体を一組として覚えられます。しかし、曲の中では半音がいつも同じ高さから始まるわけではありません。

スタート音を変えて練習すると、特定の音名の組み合わせではなく、半音という距離そのものへ意識を向けられます。白鍵から黒鍵、黒鍵から白鍵、白鍵同士と見た目が変わっても、耳で捉える距離は同じです。

私は、この距離の記憶を少しずつ増やしていけば、開始する高さが違い、黒鍵が含まれていても、以前より正確に音を捉えられるようになると考えています。

半音が分かると、曲の意外な音を味わえる

半音を捉える練習は、問題に正解するためだけのものではありません。半音の距離に敏感になると、曲の調に素直に収まる音だけでなく、そこから外れて緊張感や意外性を生む音にも気づきやすくなりました。

以前なら、ただ「少し音が変わった」としか感じなかった部分が、曲の流れを揺らしたり、次の音へ進みたくなる感覚を生んだりしていることに気づきます。すべての調外音が半音の働きだけで説明できるわけではありませんが、少なくとも私には、半音の感覚が音楽の表情を味わう入口になりました。

正確に聞き分けることの先に、意外な音を意外なものとして楽しめる感覚がある。それは、半音を練習して実感した音楽の醍醐味の一つです。

まずは、白鍵にある半音から聴いてみる

最初から黒鍵をすべて覚える必要はありません。「白鍵のみ」でミとファ、シとドの距離を確かめ、半音の狭さを頭の中へ残すことから始めてみてください。

白鍵の半音に慣れたら「黒鍵も含む」へ進み、違う高さから始まる半音でも同じ距離を感じられるか試します。

ふたり音で半音を聴く