聴き慣れた曲で、音を確かめる
『雪』で音感練習|弾む旋律を、二音ずつ確かめる
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「雪やこんこ」で始まる、おなじみの唱歌。弾むリズムで口ずさめても、隣り合う音がどれくらい離れているかまで意識する機会は少ないかもしれません。「雪」を二音ずつ聴き、上がるところと同じ高さが続くところを確かめます。
まずは四つのフレーズで聴いてみる
練習画面では、歌の主旋律16小節を4小節ずつ四つに分けています。一つを聴いたら停止し、声や楽器でまねしてみましょう。迷った音は、停止中に音符を押すと一音ずつ聴けます。
初期設定は底本のヘ長調・四分音符92です。表示譜はファ4〜レ5、男声では一オクターブ下のファ3〜レ4で鳴ります。ハ長調・ト長調、男声・女声も選べます。無理に声を出さず、聴き比べるだけでも構いません。
「雪」で練習するド→レとラ→シ♭は、上がる幅が違う
ヘ長調の最初の小節は、高いド・レ・ド・レです。ド→レは全音、半音二つ分の上昇。続く第3小節はラ・シ♭・ラ・シ♭で、ラ→シ♭は半音の上昇です。同じリズムでも、二音の距離は違います。
最初にドとレだけを押して聴き、次にラとシ♭を聴きます。それぞれ声や楽器でまねしてから、第1フレーズへ戻してみましょう。シ♭は画面の西塚式音名では「チ」と表示されます。
第2小節のド→ラは短3度の下降、第4小節のラ→ファは長3度の下降です。下がる二音も、同じ幅とは限りません。短い音を急いで追うより、到着した音を聴き直してみてください。
弾む二音と、同じ高さの二音を分けて聴く
付点八分音符は四分音符の4分の3、続く十六分音符は4分の1の長さです。冒頭のド→レは長短3対1。二音を均等にせず、短いレの高さも確かめながら聴いてみます。
一方、第10小節はド・ド・ラ・ラの八分音符です。同じドが続く部分、同じラが続く部分では、音を出し直しても高さを保ちます。「同じ音を二回」と「次の音へ移る」を分けて聴く練習になります。
- フレーズを聴く。 二拍子の流れと、区切りの休みを確かめます。
- 迷った二音を聴く。 音符を押し、全音・半音・同じ高さを聴き比べます。
- 長さも合わせる。 付点の長短と、均等な八分音符を区別してまねします。
- 一巡する。 確かめた音を思い出しながら、16小節へ戻します。
速く感じるときは64や72に下げて試せます。第2・4・8・12小節の終わりは半拍、最後の第16小節は1拍休みます。休符も含めて数えてみましょう。
再生中の音符タップはその位置からの再開です。歌声の録音・音程採点機能はありません。再生音と自分の声を、自分の耳で聴き比べます。
1911年の教科書にある「雪」
広島大学図書館所蔵の『尋常小学唱歌 第二学年用』(1911年)には、「雪」が第17曲として載っています。ビューアのImage 21 of 27、左の冊子36頁が楽譜、右の37頁が歌詞です。作詞・作曲者不詳の文部省唱歌として歌われています。
古い歌詞の頁でも、冒頭は「こんこ」という形で記されています。1番は山や野原、枯れ木に降り積もる雪、2番は犬と猫の様子へと視点が移ります。よく思い出す言葉が歌のどこに出てくるか、二つの節を見比べてみるのも一つの楽しみ方です。
同図書館の解題は、『尋常小学唱歌』が大正から昭和初期にかけて広く学校で使われたことを紹介しています。今の歌い方を確かめながら、教科書の頁から昔の姿もたどれる曲です。今回閲覧した1911年の掲載譜を、調査範囲を越えて最古の現物と断定するものではありません。
古い譜と比べ、練習には現代の歌唱譜を採用
底本は、Art Studio まほろば/簡単移調楽譜屋「雪」のヘ長調声楽譜です。PDF1〜2頁の歌唱声部、第5〜20小節を全曲比較しました。前奏4小節と伴奏は練習に含めません。
1911年譜とは調・拍子・16小節の構成が同じで、音の進み方もほぼ同じです。ただし、古譜の第7小節後半では、同じ高さのドを八分音符二つに分けています。現代の底本はドの四分音符一つ。練習では現代譜の51音を採用し、古譜の52音と混ぜていません。
ピアノ塾のハ長調の初心者用楽譜とも全曲を比べました。調を揃えると、第7小節では底本のラ→シ♭→ドに対してラ→ドと進み、ほかにも付点にする箇所の違いがあります。同じ「雪」でも教材による違いがあるため、練習は上記の声楽譜へ統一しています。
主旋律16小節・51音・32拍を新しく浄書し、音高・音価・休符・テンポ92を保持しました。歌詞2節・反復・前奏・伴奏は省き、一巡で終わります。提供元の二次生成物の利用条件に従って出典を表示し、元のPDF・MIDI・画像・録音は再配布しません。
配布するMIDI・MusicXMLはヘ長調・表示譜の高さ・テンポ92固定です。音の長さはPDFに従って作成しており、提供元のMIDIの演奏上の長短とは区別しています。画面で選んだ調・声域・テンポは配布物へ反映されません。
「雪」の付点のリズムを、二音ずつ確かめる「冬景色」の三拍子や、シ♭を「チ」と呼ぶ西塚式音名も紹介しています。