ふたり音

聴き慣れた曲で、音を確かめる

『冬景色』で音感練習|三拍子の旋律を、二音ずつ

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冬の景色とともに思い出す、ゆったりした三拍子。歌の流れを覚えていても、隣り合う二音の幅や、長い音の後に入る短い音まで同じように歌えるでしょうか。「冬景色」を少しずつ区切って聴き直してみます。

まずは四つのフレーズに分けて聴く

練習画面では、主旋律16小節を4小節ずつ四つに分けています。一つのフレーズを聴いたら停止し、声や楽器でまねしてみましょう。迷ったところは音符を押し、前の音と次の音を一組ずつ確かめます。

初期設定は、1913年の掲載譜に合わせたト長調・四分音符100です。ヘ長調・ハ長調、男声・女声も選べます。表示譜はレ4〜ミ5、男声では一オクターブ下のレ3〜ミ4で鳴ります。歌いにくいときは調や声域を変え、聴き比べるだけでも構いません。

「冬景色」で練習する

ソ→シとシ→高いレは、違う幅で上がる

ト長調で最初の三音はソ・シ・高いレです。ソ→シは長3度、シ→レは短3度の上昇。同じように一音飛ばしているように見えても、半音で数えると四つと三つで幅が違います。

最初はソとシだけを押して聴き、次にシと高いレを聴きます。声でまねできたら三音につなげ、二つの上昇を聴き比べてみましょう。続くレ→ド→シでは、ド→シが半音の下降になります。

ト長調のファはファ♯です。画面の西塚式音名では「フィ」と表示されます。第1フレーズの終わりにあるラ→フィ→低いレも、二音ずつに分けてからつなげます。

長い音と短い音を、三拍子の中で確かめる

第2小節は、付点四分音符のレが1拍半、八分音符のドが半拍、四分音符のシが1拍です。三つの音を同じ長さにせず、長いレから短いドを経てシへ進む感覚を聴いてみます。

各フレーズの最後は2拍伸ばす音と1拍の休みです。休符まで含めて「一・二・三」と数えると、次の入りを確かめられます。短い音を追いにくければ、テンポを64や72へ下げて試してください。

  1. 一つのフレーズを聴く。 三拍子の流れと、最後の1拍の休みを確かめます。
  2. 迷った二音を聴く。 停止中に音符を押し、自分の声や楽器と聴き比べます。
  3. 似た箇所を比べる。 第2・第4フレーズは最後の2小節が同じ音の並びです。そこへ至る前半の違いを確かめます。
  4. 全曲へ戻す。 二音で確かめた幅を思い出しながら、16小節を一巡します。

第3フレーズには、この版で最も高いミが出てきます。勢いで高く歌いすぎず、直前の高いレとの全音を聴き直してみましょう。

停止中の音符タップは一音の確認、再生中のタップはその位置からの再開です。歌声の録音・音程採点機能はありません。再生音と自分の声を、自分の耳で聴き比べます。

1913年の唱歌集と、国語の教科書とのつながり

「冬景色」は文部省の『尋常小学唱歌 第五学年用』(1913年)に掲載されています。広島大学図書館のデジタル資料では、冊子39頁の旋律と、隣の40頁の歌詞を閲覧できます。作詞・作曲者は不詳として紹介されている唱歌です。

宮城教育大学附属図書館報「こもれび」124号(13頁)は、五年生の国語教科書『尋常小学読本 巻十』の「冬景色」という文章で描かれる情景が、この歌にうたわれることを紹介しています。音楽の時間だけでなく、言葉で景色を思い浮かべる学びとも結び付いていた曲です。

歌詞では、水辺の朝、田園の昼、里の夕暮れへと景色が移ります。曲名から雪景色を想像することもありますが、池田小百合氏の解説は、小春日などの言葉から初冬の歌として紹介しています。情景を思い浮かべてから旋律を聴くと、同じ三拍子にも違う表情を感じられるかもしれません。

古い掲載譜と、今歌われる旋律を比べて

今回確認した古い掲載譜は、1913年の『尋常小学唱歌 第五学年用』39頁です。ビューアではImage 23 of 34、冊子39–40頁の左頁に当たります。世界最古の譜や、初版の現物と断定するものではありません。

Art Studio まほろばのト長調声楽譜と、童謡コーラスのヘ長調譜の1番も全曲比較しました。調を揃えると、45音の高さ・長さ・休符と16小節の構成が一致します。現代の国内教材2譜で同じ旋律を確認できたため、練習の底本は古い掲載譜にしました。

古譜とまほろば譜はト長調、童謡コーラス譜は全音低いヘ長調です。速さの指定も、古譜の四分100に対してまほろば譜は88です。調やテンポの違いを、旋律の音の違いとは区別しています。

主旋律16小節・45音符・四分休符4個・48拍を独自に浄書しました。音高・音価・休符・古譜のテンポ100を保ち、歌詞3節・ブレス記号・書き込みは省略。前奏や伴奏を加えず、一巡で終わります。所蔵画像や他者のPDF・MIDI・伴奏・録音は再配布しません。

配布するMIDI・MusicXMLはト長調・表示譜の高さ・テンポ100固定です。練習画面の設定変更は配布物へ反映されません。

「冬景色」の三拍子を、二音ずつ確かめる

ファ♯を「フィ」と呼ぶ西塚式音名についても紹介しています。