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『浦島太郎』で音感練習|知っている曲の、二音の距離

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「浦島太郎」は耳慣れた曲で、単純な旋律に聞こえます。それでも二音の距離を辿ってみると、意外に広く動くところがあります。知っている曲だからこそ、その一つひとつを確かめる練習によいのではないかと思いました。

曲の続きを思い浮かべられることと、今の音から次の音までの幅を確かめることは、少し違う楽しみがあります。今日は旋律の流れをいったん止めて、同じ高さ、隣の音、少し離れた音を二音ずつ聴いてみましょう。

最初は、低いソ→ドの二音だけで十分です。いつもの出だしに、どのくらいの幅を感じますか。

「浦島太郎」で練習する

最初のソ→ドは、一段ずつではない

練習譜はハ長調です。第1小節は低いソ・低いソ・ド。最初の二音は同じ高さですが、その次は低いソからドへ、完全4度上がります。半音で数えると五つ分の幅です。

歌の流れでは自然に通り過ぎる場所でも、この二音だけを取り出すと、隣の音へ進むより広く動いていることがわかります。低いソを押し、少し間を置いてドを押します。次にソ→ソを聴き、動かないときとの違いも味わってください。

続く第2小節はレ・レ・ミ、第3小節はソ・ソ・ミ・ドです。同じ音を繰り返してから上がる動きと、ソ→ミ→ドと音を飛び越して下がる動きを聴き分けられます。

広い跳躍と、半音の小さな動きを比べる

第3フレーズの第9小節には、ミ→ファ→ソ→ラと上がる部分があります。ミ→ファは半音、ファ→ソとソ→ラは全音です。最初のソ→ドと、ここでのミ→ファを交互に聴くと、上がる向きは同じでも幅が違います。

第3フレーズの最後、第12小節のレから第13小節のソへも、完全4度上がります。この跳躍はフレーズの境目をまたぎます。第3・第4フレーズを別々に聴いたあと、「全曲」で二つのつながりを聴き直すと見つけやすくなります。

表示譜の最低音はソ3、最高音はラ4で、音域は1オクターブと全音です。曲の長さは16小節でも、高さの範囲はそれなりにあります。声を出すときは無理をせず、聴くだけにしたり、調や男声・女声の設定を変えたりしてください。

ハ長調の初期設定で確かめる二音
二音場所音の動き
低いソ→低いソ第1小節同じ高さ
低いソ→ド第1小節完全4度の上昇
ソ→ミ第3小節短3度の下降
ミ→ド第3小節長3度の下降
ミ→ファ第9小節半音の上昇
レ→ソ第12〜13小節完全4度の上昇

二音を聴いてから、いつもの旋律へ戻す

  1. ハ長調の「第1フレーズ」を一度聴きます。最初は歌わず、耳慣れた出だしを確かめます。
  2. 停止して、第1小節の低いソとドを順番に押します。次に低いソを二度押し、同じ高さとの違いを聴きます。
  3. 第3小節のソ→ミ、ミ→ドを二音ずつ押します。同じ下がる動きでも、二音の幅が少し違います。
  4. 「第3フレーズ」で第9小節のミ→ファを聴きます。半音の小さな動きを、最初の完全4度と比べてみましょう。
  5. 最後に「全曲」を聴き、第12〜13小節のレ→ソも追います。音が止まってから、自分の声や楽器で気になった二音を辿ってみてください。

四小節ずつ四つのフレーズに分けています。音符タップは高さを確かめる単音再生で、譜面どおりの音の長さや休符はフレーズ再生で確認します。速ければテンポを72や60へ下げてください。

男声は表示譜より1オクターブ低く、女声は表示譜と同じ高さで鳴ります。ここでの「ド・レ・ミ」はハ長調の表示譜に合わせた音名です。調を変えれば実際に鳴る音の名前も変わります。歌声の録音や音程採点はありません。

1911年の教科書に載る「浦島太郎」

広島大学図書館が公開する、文部省編『尋常小学唱歌 第二学年用』(1911年)の20〜21頁に、「浦島太郎」の楽譜が載っています。第10曲として掲載され、続く22〜23頁には歌詞をまとめた頁もあります。今回確認した古い掲載資料であり、これ以前の同名曲まで調べた「最古」の断定ではありません。

この唱歌は昔話を五つの節で辿る歌でもあります。国際交流基金の日本語教材でも、五番までの歌詞を通して物語のあらすじがわかる教材として紹介されています。練習では同じ旋律を五回繰り返さず、一巡の16小節にしています。

昔の教科書では、今の楽譜と書き方が少し違うところもあります。1911年譜の第13小節は、同じ高さの二音に線がかかり、第一節の一つの母音を伸ばす形です。今回比較した現代の公開メロディー譜では、この二音が分かれており、練習でも鳴らし直します。音の高さを変える違いではありません。

今回の楽譜と出典

保護期間満了の1911年掲載譜の主旋律を独自にデータ化し、現代の全曲公開譜と比較して、同音を鳴らし直す形に整えました。ヘ長調を5半音下げたハ長調、2/4拍子・16小節32拍、48音符と八分休符4個の練習版です。弱起・タイ・反復記号はありません。初期テンポ100は1911年譜の表示と同じです。

現代譜にもリズムの違いがあります。ロンドの公開譜と同じく、第7・11小節の最初の同音二つは、同じ長さの八分音符にしました。音楽研究所の公開譜では、この二音を付点八分音符と十六分音符にする形です。高さの並びは同じですが、すべての楽譜・歌い方が同一とは限りません。

元の楽譜画像、現代のコードや伴奏編曲、歌詞、録音は掲載・再配布していません。配布するMIDI・MusicXMLも、主旋律から独自に生成したハ長調・表示譜の高さ・テンポ100のデータです。

よく知っている旋律の中にある、少し広い二音。低いソ→ドから、ゆっくり確かめてみましょう。

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