聴き慣れた曲で、音を確かめる
『シャボン玉』は意外に高低差がある?聴き慣れた旋律で二音の練習
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「シャボン玉」は、出だしの音がいちばん低く、意外に高低差がある曲です。聴き慣れた旋律ですが、その広がりを意識すると、二音の練習に向いていると思いました。まずは最初の二音から、上がる幅を確かめてみます。
低いソからドへ、出だしの二音を聴く
今回の練習譜はハ長調です。最初は低いソからドへ上がり、そのドを繰り返してからレ・ミへ進みます。歌い出しのソは、今回取り上げる主旋律の最低音です。
ソ→ドは5半音上がる完全4度。隣の音へ一段上がる動きよりも広く跳びます。曲の続きまで一息に歌う前に、楽譜の最初の二音だけを順に押し、音が止まってから「ラ・ラ」など同じ母音で歌ってみましょう。
「シャボン玉」で練習するこの記事の音名はハ長調の表示譜に対応する固定ドです。小節は前奏を除いた歌の12小節で数えます。男声設定では表示譜より1オクターブ低く再生します。
穏やかな印象でも、音域は1オクターブを超える
最低音の低いソから、最高音の高いドまでは17半音。1オクターブに完全4度を足した、完全11度の音域があります。短い童謡でも、同じ高さの周辺だけを行き来しているわけではありません。
これは曲全体の最低音と最高音の幅です。最初のソから高いドへ一度に跳ぶ、という意味ではありません。実際の旋律では、いくつかの音を通って高いところへ進みます。
出だしが低すぎるときはニ長調などへ調を上げてみます。ただし、調を上げると最高音も同じだけ高くなります。低い音と高い音の両方を確かめ、出しにくいところは声を無理に押し出さず、まず聴く練習にしてください。
途中のファ→高いドは、完全5度
第3小節はラ→ファ→高いド→ラと進みます。ラからファへは4半音下がる長3度。その次のファから高いドへは7半音上がる完全5度で、冒頭の完全4度よりも広い跳躍です。
まず冒頭の低いソ→ドを聴き、次に第3小節のファ→高いドを聴きます。「どちらも上がる」で終わらず、幅が違うことを確かめます。二音を逆順に押せば、下がる向きも試せます。
第7小節にはソ→ドと完全5度下がる箇所もあります。冒頭の低いソ→ドは上行の完全4度ですが、ここは上のソから下のドへ向かいます。同じ「ソとド」という音名でも、どちらの高さの音を使い、どちらへ進むかで間隔は変わります。
二音を確かめてから、四小節の旋律へ戻す
- 出だし:最初の低いソとドを一音ずつ押し、聴いてから歌います。次はド→低いソの順でも確かめます。
- 途中の跳躍:第3小節のファと高いドを同じように聴き、完全5度の幅を確かめます。
- 曲へ戻す:第1フレーズの四小節を再生し、元の順番とリズムで歌います。曖昧な二音があれば、そこだけもう一度聴きます。
フレーズ再生は元の旋律の順番で進みます。二音を逆順に聴くときは楽譜の音符をその順で押してください。ふたり音には歌声の録音・採点機能はありません。歌ったあとにピアノの音を聴き直し、自分の声との違いを確かめる使い方です。
第3フレーズは高いドの繰り返しから始まります。第2フレーズの終わりのドからは1オクターブ上がるので、休符を挟んだつなぎを確かめたいときは全曲再生を使います。
1923年の楽譜にもある、低い歌い出し
「シャボン玉」は野口雨情作詞、中山晋平作曲の童謡です。池田小百合「なっとく童謡・唱歌」では、1923年1月25日発行の『童謠小曲』第三集(山野楽器店)に掲載された楽譜の複写が紹介されています。
その古い譜面は変ホ長調・2/4拍子で、低いシ♭からミ♭へ上がります。調は違っても、今の練習譜の低いソ→ドと同じ完全4度です。八小節を繰り返し、最後の四小節へ進む構成も見られます。
一方、終盤のリズム表記には違いがあります。古譜の最後から二つ目の小節は、初めの二音が八分音符で記されています。今回採用した現代譜では付点八分音符と十六分音符です。古譜の表記の意図を断定せず、練習では採用した現代譜のリズムに揃えました。
池田小百合「なっとく童謡・唱歌」―「シャボン玉」の資料と古譜の複写今回の底本と、練習用の変更
練習の底本はArt Studio まほろば「シャボン玉」の現代のピアノ伴奏譜です。配布元で「長2度下げる(C/Am)」を選んだハ長調版の第1頁、Vocalの第5〜16小節を採用しました。古い原典そのものではありません。
歌の音高・音価・休符を保ち、前奏四小節、歌の前半八小節の反復、伴奏・歌詞を省いて12小節を一巡します。四小節ずつの三フレーズに分け、テンポは底本の四分音符=72です。終盤の付点リズムも底本どおりとし、別の版の音符を混ぜていません。
配布元の利用条件に従い、出典を表示して主旋律を独自にデータ化・浄書しました。元のPDFやMIDIは転載していません。ふたり音のMIDIとMusicXMLはハ長調・表示譜の高さ・テンポ72固定で、画面の設定変更は配布ファイルには反映しません。
知っている曲の、二音の幅を聴き直す
まずは出だしの完全4度、次に途中の完全5度。聴き慣れた曲だからこそ、普段はひとまとまりに覚えている旋律を二音に分けてみます。「意外に高低差がある」という気づきを、実際の音の幅と結び付けて確かめてみましょう。