ふたり音

ふたり音・音感トレーニング

音感トレーニングの効果は鼻歌に出た――音程のずれに気づけるようになるまで

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人とハモっていると、いつの間にか自分の声が主旋律へ近づいてしまう。一度そうなると、気持ちよく響く音を探しても、その日はなかなか元へ戻れませんでした。音感トレーニングを続けて最初に感じた変化は、相手の音名がすぐ分かることではありません。何気なく歌った鼻歌が一つの高さへ収まり、以前より「うまくハモれていない」と気づけるようになったことでした。

人とハモると、主旋律へ近づいてしまった

ハモリだけを練習すると、自分のパートを歌えます。ところが、ほかの人が主旋律を歌い始めると難易度が急に上がりました。自分では別の音を保っているつもりでも、少しずつ相手と同じ音へ近づいてしまうのです。

ずれを音名で説明できたわけではありません。二つの声が合っているときの気持ちよさがなくなり、「何か違う」と感じます。そこで主旋律から声を離し、気持ちよく響く場所を探すのですが、一度つられると相手の音が基準になってしまい、なかなか抜け出せません。その日は最後までうまくいかないこともありました。

ピアノなら戻れるのに、人の声では難しかった

ハモリを練習するときは、まず自分が歌う1フレーズを音名で確かめます。その後、ピアノで主旋律を弾きながらハモります。ピアノが相手なら、何度か繰り返すうちに自分の音へ戻れることが多くありました。

しかし、主旋律を人に歌ってもらうと同じようにはいきません。楽器と声では音色が異なり、声には音量の変化や揺れもあります。ただ、私が一番の原因だと考えたのは、それ以前に、相手が出している音そのものを正確に捉えられていないことでした。

相手の音が「ド・レ・ミ」のどれか分からなければ、自分が出すべき音との関係も見失いやすくなります。相手の声の大きさや揺れに左右されず、音名として音をつかみ、そのうえで自分の音を選べるようになりたい。それが、私が音感トレーニングを続ける目標になりました。

以前は、音と音の間にいることにも気づかなかった

練習を始める前も、自分ではそれなりに正しく歌っているつもりでした。声が音と音の間をふらついているという自覚はなく、問題そのものに気づいていなかったのです。

音感トレーニングを続けるうちに、音名は分からなくても、自分の声が「何か一つの音」であると感じられることが増えました。狙った高さを頭で判断してから声を直すのではありません。曖昧な位置へ声が出ると、無意識に補正がかかり、近くの一つの高さへ収まっていくような感覚です。

私が最初に実感した上達は、正解の音名を言えることではなく、自分の声のずれに耳が反応するようになったことでした。

変化に気づいたのは、何気ない鼻歌だった

この変化をはっきり感じたのは、練習問題へ答えているときではなく、何気なく鼻歌を歌ったときでした。以前より声の高さがまとまり、「あれ、少しうまくなっているかもしれない」と感じたのです。

同時に、ハモリが合っていないときにも、以前より早く違和感を持つようになりました。間違いに気づく回数だけを見れば、下手になったようにも思えます。しかし、鼻歌が一つの高さへ自然に収まる感覚もあったため、私はこれを前向きな変化として受け止められました。

うまく歌えないことが増えたのではなく、以前は通り過ぎていたずれを聴けるようになった。気づければ、立ち止まって音を確かめられます。私にとっては、それが自分で音程を直せるようになるための一歩でした。

練習直後だけに感じる、薄い「シャー」という感覚

もう一つ、完全に個人的な感覚ですが、音感トレーニングの直後には、音が整っている歌声から薄い「シャー」という音のようなものを感じることがあります。上手なアーティストの歌でも、自分の鼻歌でも聞こえます。

数時間たつと、その感覚は消えてしまいます。ただ、練習を続けるにつれて、聞こえる状態になるまでの時間は短くなりました。私にとっては、耳が音へ集中しているときの目印のようになっています。

これが何によって生じるのかは分かりませんし、音程が正しいことを客観的に判定する方法でもありません。誰にでも同じように聞こえると考えているわけではなく、あくまで私自身が練習の前後で感じた変化の一つです。

単音の積み重ねから、2音の練習へ

私は以前から、一つの音を覚える練習を続けていました。その積み重ねもあるため、今の変化が2音の練習だけで生まれたとは断定できません。それでも、私には二つの音をセットで捉える練習が特に効いた実感があり、始めてから数週間で鼻歌やずれへの気づきに変化を感じました。

現在は、寝る前に「ふたり音」を約10分使っています。それとは別に、よく聴いて頭へ残っている曲のメロディーを、ピアノで最初から2音ずつ弾く練習を1日30〜60分ほど続けています。

好きな曲を2音ずつ確かめる詳しい方法は「好きな曲で音感を鍛えるには?メロディーを2音ずつ明瞭にする練習法」で紹介しています。今回の変化は、その練習と「ふたり音」を続ける中で感じたものです。

まだ、人の声につられずハモれるわけではない

自分の声が一つの高さへ収まりやすくなっても、人が歌う主旋律を音名で捉え、いつでも自分のパートを保てる段階には至っていません。今でも、一度主旋律へつられると、その日は戻れないことがあります。

それでも、以前とは出発点が変わりました。問題に気づかず正しく歌えていると思っていた状態から、自分の声が曖昧なときや、二つの声が気持ちよく響いていないときに気づけるようになったからです。

音感トレーニングの効果は、すぐにすべての音名を答えられることや、急に上手なハモリを歌えることだけではありません。自分のずれを自分の耳で見つけられるようになることも、練習を続ける意味のある変化だと感じています。

寝る前の10分、2つの音へ耳を向ける

音名をすぐに答えられなくても、まずは二つの音を聴き、頭の中でそれぞれの高さを再現してみてください。正解後にもう一度聴き、自分が思い浮かべた高さとの違いを確かめます。

日々の鼻歌や歌声で「以前と何か違う」と感じたら、それも練習を振り返る手掛かりになります。

ふたり音で10分練習してみる