ふたり音

聴き慣れた曲で、音を確かめる

『もろびとこぞりて』で、高い出だしと1オクターブの跳躍を確かめる

作成日:
公開日:
最終更新日:
更新記録なし
最終確認日:

「もろびとこぞりて」は、子供の頃にクリスマス会でよく聴いた曲です。今聴き直すと、高い音から始まることや、途中で1オクターブも離れた音へ移ることが気になります。聴き慣れた曲の中にも、音を確かめたいところがありました。

覚えている旋律を、今の耳でもう一度

懐かしい曲を口ずさむと、細かな音を意識しなくても先へ進めることがあります。今回はその流れを少し止めて、最初の音はどの高さか、隣の音へどれくらい下がるか、大きく跳ぶところはどれくらい離れているかを聴いてみます。

練習画面はハ長調を基本にしています。この記事のド・レ・ミは、ハ長調の表示譜に対応する固定ドの音名です。男声の設定では表示譜より1オクターブ低く再生しますが、二音の間隔は変わりません。

「もろびとこぞりて」で練習する

出だしは、高いドから一段ずつ下がる

最初の八音は、高いド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・低いド。第1〜4小節にかけて、1オクターブを階段のように下がります。ここでいう「高い」は曲の中での位置です。高い声を無理に出すことを目標にせず、自分が歌いやすい調や声域を選んでください。

まず最初のドを押して聴き、音が止まってから同じ高さで歌います。次にド→シの二音を聴いて歌い、そのあとド・シ・ラまでつなぎます。出だしの高さが曖昧なら、一音だけに戻って確かめましょう。

階段の幅は均等ではありません。ド→シとファ→ミは1半音、そのほかの隣り合う音は2半音です。ド→シとシ→ラを続けて聴き比べると、同じ「一段下がる」でも幅が違うことに耳を向けられます。

第4フレーズは、低いドから高いドへ

第17小節、練習画面の第4フレーズの最初に、低いド→高いドという上向きの跳躍があります。音の間隔は12半音、完全8度(1オクターブ)です。同じドという名前でも、高さは違います。

出だしでは八音をたどって下がった幅を、ここでは二音で一気に上がります。まず楽譜の二つのドを順に押して聴き、低い方、高い方をそれぞれ歌ってみてください。そのあと「ラ・ラ」など同じ母音で二音をつなぎ、もう一度ピアノの音と比べます。

高い方へ届きにくいときは調を下げて構いません。歌いにくさと音の聴き違いを一緒にせず、声を出しやすい高さで間隔を確かめます。慣れたら次のラまでつなぎ、曲の中へ戻してみましょう。

伸ばす音と、細かく動く音も分けて聴く

第7〜8小節の高いドは、タイでつながった一続きの音です。小節線を越えても打ち直さず、そのあと八分休符を挟んで次へ入ります。一方、第3フレーズには付点八分音符と十六分音符の組み合わせがあります。こちらは長さが3対1で、同じ長さの二音ではありません。

  1. 出だしを確かめる:第1フレーズで、最初のドと下がる二音を聴いて歌う。
  2. 大きな幅を確かめる:第4フレーズの最初の二音で、1オクターブ上がる動きを聴く。
  3. リズムを戻す:テンポを60や75に下げて細かな音を確かめ、最後に全曲を聴く。

練習画面は歌声を録音・採点する機能ではありません。自分で歌ったあとに音を聴き直し、気になった二音へ戻るために使ってください。

古い譜面では、跳躍の幅も違っていた

この旋律は英語の「Joy to the World」にも使われ、ANTIOCHという曲名で知られています。Hymnology Archiveが紹介するCharles Riderの『Psalmodia Britannica』第4巻・第87番(949頁)には、COMFORTという名の初期の形が載っています。同資料は年代を1831年頃と推定しており、厳密な初出順は確定していません。

その第三声部を見ると、出だしは現在のように低い主音まで下がらず、終盤の上向きの跳躍もオクターブではなく6度です。1836年にはLowell Masonが編んだ曲集で「Joy to the World」の詞と結びつけられました。聴き慣れた旋律にも、版による違いがあります。

今回は、今の旋律の下降音階とオクターブを確かめることを目的に、Art Studio まほろばの現代公開譜を採用しました。古い版の音を混ぜず、一つの底本に沿って練習します。

Hymnology Archiveの解説と初期掲載譜を見る

今回の楽譜と練習用の変更

底本はArt Studio まほろばの「もろびとこぞりて」ピアノ伴奏譜です。配布ページで「長2度下げる(C/Am)」を選んだハ長調版の第1頁、全20小節の上声を独自にデータ化しました。配布元でも斉唱には上声を使うよう案内されています。

音高・音価・休符・タイとテンポ90は底本に合わせ、末尾の反復を省いて一巡します。下声・ピアノ伴奏・歌詞は含めません。MIDIとMusicXMLはハ長調・表示譜の高さ・テンポ90で固定し、画面で選んだ調や男声・女声の設定は配布ファイルに反映しません。

出典を明示した二次生成物を認める配布元の条件に従っています。現代の編集譜を原典や初出とは表示せず、底本のPDFやMIDIそのものは再配布しません。

思い出の曲から、もう二音

子供の頃に聴いた曲を、今は出だしの高さや音の間隔に注目して聴く。同じ曲でも、確かめたいところが変わってきます。まずは高いドから下がる二音か、低いドから高いドへ跳ぶ二音を選んでみてください。