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ふたり音・音感トレーニング

楽譜どおりに歌っているのに高さが違う?男声のオクターブと練習音域の見つけ方

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ピアノ弾き語りの楽譜を見ながら歌っていた私は、鍵盤で鳴らしている音と自分の声が合っていると思っていました。音名は同じだったからです。しかし何年も経ってから、男性の自分が実際に歌っていた声は、楽譜や鍵盤より1オクターブ下だったと気づきました。同じ音ではあっても、高さが違っていた。その事実は、かなりショックでした。

楽譜と同じ音名を歌っていると思っていた

私が使ってきたピアノ弾き語り楽譜では、男性が実際に歌う高さより1オクターブ上に旋律が書かれていることが多くありました。楽譜を見てピアノで旋律を弾き、その音に合わせて歌っていたつもりでした。

鍵盤でドを鳴らし、自分もドと歌う。音名だけを見れば一致しています。そのため、声と鍵盤の高さが違うという発想を持たないまま、長い間練習を続けていました。

これは、すべての男声用楽譜が同じ書き方だという意味ではありません。私が使った楽譜と、自分の歌い方についての経験です。

同じドでも、オクターブが違えば同じ高さではない

あるとき、ピアノで鳴らしている音と自分が出している声を注意して比べ、両者が1オクターブ離れていることに気づきました。音の並び方は合っていても、声は鍵盤よりずっと低い位置にありました。

例えばC3とC4は、どちらも音名ではドです。しかしC4の周波数はC3の2倍で、実際の高さは異なります。「同じ音名であること」と「同じ高さであること」を、私は区別できていませんでした。

音名が合っているだけでは、鳴らした音と同じ高さを歌えているとは限りません。

何年も気づかなかったことがショックだった

1オクターブ違っていても、音の関係はよく似て聞こえます。メロディーとしても成立するため、歌っている最中に大きな間違いとは感じませんでした。それが、気づくまでに時間がかかった理由の一つだと思います。

ただ、音感を身につけようとしていた自分にとって、実際に鳴っている高さと記憶している高さが違っていたことは小さな問題ではありませんでした。何年も同じだと思っていた二つの音が、実は別のオクターブだったと分かったときは、かなりショックでした。

一方で、この経験から、音名だけでなく音域まで確かめる必要があると分かりました。間違いに気づいたことが、その後の練習方法を見直すきっかけになりました。

高音は低めに、低音は高めに覚えていた

オクターブの違いとは別に、私の音の記憶にはもう一つ傾向がありました。高い音ほど実際より低く覚え、低い音ほど実際より高く覚えていたのです。自分の中で、音域の両端が中央へ縮まるような感覚でした。

この傾向も、感覚だけで判断したのではありません。ピアノの音を聴いて覚え、声に出した高さをチューナーで確かめました。高音や低音になるほど、自分が思い浮かべた高さと実際の音に差が出やすいと分かりました。

これは私個人の経験であり、誰もが同じ方向へずれるとは限りません。ただ、自分では正しく覚えたつもりでも、音域によって記憶のずれ方が変わる可能性はあります。

チューナーは、感覚と実際の高さを比べる手がかりになった

チューナーを使うと、歌っている音名だけでなく、狙ったオクターブにいるか、高めか低めかも確認できます。私にとっては、耳が悪いかどうかを判定する道具ではなく、自分の感覚と実際の高さを比べるための道具でした。

ただし、練習中ずっと画面を見る必要はありません。最初に基準を確かめるときや、高音・低音の感覚が曖昧になったときに使い、確認後は音そのものを聴くことへ戻します。

チューナーの表示だけに合わせようとして喉へ力を入れるのも避けます。出しにくい高さは無理に正解へ押し込まず、まず練習音域を狭める方が続けやすいと感じています。

ピアノのストレッチチューニングとは方向が逆だった

ピアノには、低音から高音までを単純な周波数比だけで揃えず、響きに合わせて調整するストレッチチューニングがあります。平均律のフラットな基準と比べると、一般に高音側をわずかに高く、低音側をわずかに低くします。

私は最初、この性質と自分の音の記憶を結びつけて考えました。しかし、私が高音を低め、低音を高めに覚えていた傾向とは逆方向です。ストレッチチューニングが記憶のずれを生んだ、と説明することはできません。

ヤマハの電子ピアノの説明でも、フラットな調律では各オクターブで周波数が2倍になり、ストレッチでは低音を少しフラット、高音を少しシャープにするとされています。詳しくはYamaha CP1 Owner's Manualを参照してください。

最初は、基準が一定の音で狭い音域から練習する

アコースティックピアノのストレッチチューニングが間違っているわけではありません。ピアノらしい響きを整えるための調律です。ただ、音の高さを覚え始める段階では、各オクターブの関係が一定のフラットな平均律を基準にすると、条件を揃えて確認しやすくなります。

さらに、最初から広い音域を扱わないことも大切です。高音と低音で記憶が中央へ寄りやすかった私には、無理なく声が出る中央付近から始め、少しずつ範囲を広げる方法が合っていました。

  1. 1楽に声を出せる音を一つ選び、ピアノや基準音を鳴らす
  2. 2同じ音名だけでなく、同じオクターブの高さをまねて声を出す
  3. 3ときどきチューナーを使い、狙った音名とオクターブを確認する
  4. 4高音と低音へ少しずつ広げ、無理なく声を保てる範囲を探す
  5. 5近い方の声域設定を選び、完全5度までの2音から練習する

男声・女声の設定は、出発点にすぎない

「ふたり音」には男声と女声の声域設定がありますが、これは一人ひとりの声域を決めつけるものではありません。同じ男声でも、楽に出せる高さは人によって異なります。女声についても同じです。

大切なのは、設定名に自分の声を無理に合わせないことです。まず自分に近い方を選び、「完全5度まで」の出題範囲や出しやすいスタート音から試します。高音で声が苦しくなる、低音で音程が曖昧になると感じたら、その音を無理に歌わず、鍵盤で出しやすい範囲を確かめます。

まずは、出しやすい音域で2音を確かめる

同じ音名でも、オクターブが違えば高さは異なります。高い音や低い音を無理に覚える前に、自分が出している声のオクターブと、楽に声を保てる範囲を確かめてみてください。

「ふたり音」では男声・女声の設定、スタート音、完全5度まで・1オクターブまでの出題範囲を選べます。まず出しやすいスタート音と完全5度までの2音を聴き、声でゆっくりたどるところから始められます。

自分に合う音域で練習する