ふたり音

ふたり音・曲で練習

『きらきら星』で音感練習|隣り合う音を、二音ずつ

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いろいろな楽器の初心者練習曲として出会う「きらきら星」。弾き慣れた旋律を、今度は耳で確かめ直してみたいと思いました。5度で跳ぶところはあるものの、同じ音の繰り返しと、隣り合う音へ進む動きが中心です。近い二音の変化に耳を向ける練習に選びました。

まずはファ→ミと、ミ→レ。同じ「一段下がる」でも、二音の距離が違います。

「きらきら星」で練習する

同じ音に留まり、隣の音へ進む

ハ長調の練習譜は、ド・ド・ソ・ソから始まります。その後はラ・ラ・ソ、ファ・ファ・ミ・ミ、レ・レ・ド。同じ音を二度鳴らすところと、高さが変わるところを分けて聴けます。

ファ→ミ→レ→ドと下がるときは、音階の隣り合う音をたどっています。これを順次進行と呼びます。途中に同じ音の繰り返しがあるので、急いで次へ進まず、一つの高さを確かめてから隣の高さへ移れます。

ただし、「隣の音」はどこでも同じ幅ではありません。ここでのドレミはハ長調の表示譜の音名です。

ファ→ミは半音、ミ→レは全音

ハ長調で確かめる二音
二音音程距離
ファ→ファ同じ高さ(同度)変化なし
ファ→ミ短2度下降半音一つ分
ミ→レ長2度下降全音(半音二つ分)
ド→ソ完全5度上昇半音七つ分

第2フレーズのソ・ソ・ファ・ファ・ミ・ミ・レを使うと、ソ→ファ、ファ→ミ、ミ→レを続けて確かめられます。真ん中のファ→ミだけ半音で、その前後は全音です。名前を覚えるだけでなく、実際に二音を鳴らして、下がる幅の違いに耳を向けてみましょう。

冒頭の5度は、近い音との比較に

ド・ドの後でソへ上がるところは完全5度です。一段ずつ動くところより大きく離れています。今回の全曲12小節では、このド→ソが第1・第9小節に現れます。

第1フレーズの最後のドから、第2フレーズの最初のソへ移るところも完全5度上昇です。フレーズの境目を含めると、全曲には5度の跳躍が三回あります。第2フレーズ内にはレ→ソの完全4度も一回あります。

すべてが2度の曲ではありませんが、高さが変わる箇所の多くは2度です。最初は隣の音の違いを確かめ、慣れたらド→ソの広さと比べる使い方ができます。

弾ける曲を、耳で確かめ直す手順

  1. ハ長調の「第2フレーズ」を選び、まず歌わずに聴きます。同じ高さを繰り返す場所と、下がる場所を探します。
  2. 停止して、ファとミの音符を順番に押します。次にミとレを押して、半音と全音の下がり方を比べます。
  3. 再生音が止まってから、二音を声でたどります。自分の楽器で二音を弾き、もう一度聴き比べても構いません。
  4. 第2フレーズを再生し、確かめた二音を旋律の中で聴きます。追いにくければテンポ72や60へ下げます。
  5. 第1フレーズのド→ソを聴き、最後に全曲へ。近い動きと跳ぶ動きを見つけながらたどります。

第1と第3フレーズは同じ四小節です。間の旋律を聴いた後も、同じドへ戻れるか確かめる練習にも使えます。初期テンポは96。二分音符は2拍伸ばします。音符タップは高さを確かめるための単音再生で、リズムはフレーズ再生で聴きます。

男声設定は表示譜より1オクターブ下、女声設定は表示譜と同じ高さです。歌いにくければ調や声域を変え、聴くだけでも使えます。歌声の録音・音程採点はありません。音感がどの程度改善するかを、この一曲だけで判定するものではありません。

18世紀の譜と、いま練習する旋律

「きらきら星」はフランス民謡として親しまれる旋律です。フランス国立図書館の書誌には、ブアン編の『Lindor et Ah ! vous dirai-je maman』が掲載されています。刊行年は当時の広告を根拠に1761年と推定されています。これは今回確認した古い掲載資料の年で、曲が作られた年や初出を断定するものではありません。

同資料の2頁にある主題は、上へ細かく動く音や装飾、反復記号を含みます。現在の「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソ」と同じ音の並びではありません。古い版の細かな動きを覚える練習にはせず、いま聴き慣れている簡潔な旋律を使います。

日本の学習資料では、島村楽器が紹介する『はじめてのカリンバBOOK』に初心者向けの曲として掲載されています。ヤマハの小学校向け授業モデルにも採用例があります。楽器や学習方法が違っても、身近な旋律で音の高さを確かめる入口になっています。

今回の練習譜について

Misa指導・編曲『はじめてのカリンバBOOK』(学研プラス、2021年)の公開サンプル第1頁・書籍24頁にある単旋律を比較・採譜の資料にしました。音楽研究所の公開譜とも、全42音の音高・音価と12小節の構成を照合しています。

ヤマハの教育譜は、六つのフレーズ末尾を「四分音符+四分休符」にする版です。今回は二分音符を2拍伸ばす版を採用しました。原資料より1オクターブ低いC4〜A4で表示し、音高関係・音価を保持して、四小節ずつ三つのフレーズに分けています。弱起・休符・タイ・反復はなく、一巡48拍です。テンポ96は練習用に設定した値です。

保護期間の終了した伝承旋律を独自にデータ化・浄書しました。現代の伴奏編曲、運指、歌詞、資料画像は使用していません。現代譜を原典や初出とは表示しません。MIDI・MusicXMLはハ長調、表示譜の高さ、テンポ96で配布しています。

今日は、ファ→ミとミ→レから

知っている曲だからこそ、先を急がず二音ずつ。近い音の変化を確かめてから、旋律全体へ戻ってみましょう。

「きらきら星」の楽譜と音を開く