ふたり音

曲の原典をたどる

唱歌「ふるさと」の原典はネットで読める?1914年の教科書から現在まで

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「うさぎ追いしかの山」で始まる「ふるさと」は、100年以上前の教科書までオンラインで遡れます。古い本を眺めるだけでなく、そこに記された旋律を現在のブラウザで再生し、歌いやすい調へ移して練習できる形にしました。

1914年の教科書を自宅から閲覧できる

広島大学図書館デジタルアーカイブでは、文部省『尋常小学唱歌 第六学年用』が全ページ公開されています。1914年(大正3年)、国定教科書共同販売所発行の資料です。

「故郷」は同書の冊子14–15頁にあります。右頁に3番までの歌詞、左頁にト音記号、ト長調、3/4拍子、四分音符=80の旋律が掲載されています。ブラウザのデジタルビューアでは「Image 10 of 33」を選ぶと、見開きで確認できます。

原典をデジタルアーカイブで見る

なぜ古い楽譜を確認するのか

古いから音楽的に優れている、という理由ではありません。どの資料を基に音程とリズムを入力したか、第三者が同じページを開いて確かめられるからです。

この資料には所蔵機関、出版年、出版者が記録され、デジタル画像もパブリックドメインと明示されています。ふたり音では画像をそのまま転載せず、原典を読み取って旋律データと新しい楽譜を作成しました。

現在も小学6年生の共通教材になっている

「ふるさと」は昔の教科書に残っているだけではありません。文部科学省の現行の小学校学習指導要領では、第6学年の歌唱共通教材として「越天楽今様」「おぼろ月夜」「われは海の子」とともに挙げられています。

1914年の国定教科書に載った曲を、現在の小学生も学校で歌う。この長い時間のつながりを、公開資料から直接確認できます。

文部科学省の小学校学習指導要領を見る

調を変えても、音同士の関係は変わらない

1914年版はト長調ですが、全員に同じ高さが歌いやすいわけではありません。旋律全体を同じ幅だけ上げ下げすれば、曲の輪郭や音程関係を保ったまま、声域へ合わせられます。

練習ページの譜面は男声・女声で共通です。再生音だけを、男声では原典より1オクターブ低く、女声では原典と同じオクターブにします。そのうえで、原典のト長調に加えて変ホ長調、ヘ長調、イ長調を選び、無理なく声を出せる高さを探せます。

原典から作った旋律を聴いてみる

まず「第1フレーズ」を選び、冒頭の同じ音が三つ続くところを聴いてみてください。停止中に音符を一つずつ押し、同じ高さのまま声で入り直せるか確かめます。続く音が高すぎたり低すぎたりする場合は、声域と調を変え、同じフレーズを歌いやすい高さで試せます。

「ふるさと」で練習する

声に合う高さを選ぶときに迷ったら、声域とオクターブの合わせ方も参考にしてください。

参照資料

  • 文部省『尋常小学唱歌 第六学年用』国定教科書共同販売所、1914年、14–15頁(広島大学図書館所蔵)
  • 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)』第2章第6節 音楽